【2025年版】空き家の相続や税金対策はどうする?負担を減らす方法も紹介

相続・空き家

田中 洋平

筆者 田中 洋平

不動産キャリア25年

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空き家を相続すると、思わぬ税金や費用が発生することをご存知でしょうか。「相続税や固定資産税はどのくらいかかるのか」「負担を減らす方法はあるのか」といった疑問や不安をお持ちの方も多いはずです。この記事では、空き家の相続時に発生する主な税金や費用の種類から、負担を軽減するための制度や売却時の控除、さらに空き家を有効活用するための税金対策まで、分かりやすく解説します。将来の安心のため、知っておくべきポイントをぜひご覧ください。

空き家の相続で負担が発生する主な税金と費用

空き家を相続した際に発生する主な税金・費用は、以下のとおりです。

段階 税金・費用名 概要
相続時 相続税・登録免許税 相続税は「基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の人数)」を超えた場合に課税されます。また、相続登記の際には固定資産税評価額の0.4%が登録免許税として課されます(法定相続人以外が取得する場合は2.0%)。
所有中 固定資産税・都市計画税 空き家だとしても、毎年1月1日時点の所有者に対して課税されます。住宅用地特例により軽減される場合がありますが、「管理不全空家」や「特定空き家」に指定されると、その特例がはずれて税負担が最大6倍になるおそれがあります。
売却時 譲渡所得税(所得税・住民税) 売却によって得た利益(譲渡所得)には税金がかかります。譲渡所得は「売却代金-取得費-譲渡費用」で計算され、所有期間によって税率が異なります(5年以下は約39%、5年超は約20%)。ただし、一定条件を満たせば「空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除」が利用でき、節税が可能です。

このように、相続時、所有中、売却時のそれぞれの段階で税負担が異なるため、全体的な流れを見渡して対策を立てることが重要です。

相続税の負担を軽減する制度を知る

相続において、空き家を含む宅地の相続税を軽減する代表的な制度が「小規模宅地等の特例」です。被相続人の居住用宅地(特定居住用宅地等)について、相続人がそのまま居住または相続税の申告期限まで所有している場合、最大で評価額の80%の減額が可能です(限度面積:330㎡)。これは、家族の生活を守るために設けられた制度で、大幅な節税が期待できます。なお、賃貸用地(貸付事業用宅地等)の場合は、減額率が50%、限度面積が200㎡となります。特例の適用には条件が細かく定められており、適用の可否によって税負担が大きく変わるため、正確な確認が必要です。

制度名 主な適用要件 減額率・限度面積
特定居住用宅地等
(自宅として使用された土地)
相続人が居住または相続税申告期限まで所有 減額率:80%、限度:330㎡
貸付事業用宅地等
(賃貸など事業用の土地)
相続人が事業を継続 減額率:50%、限度:200㎡
空き家特例(譲渡時) 一定の要件を満たす空き家を相続後売却 譲渡所得から最高3,000万円控除

配偶者控除も重要な制度の一つです。配偶者が被相続人から相続する場合、1億6千万円まで、または法定相続分のどちらか大きいほうまで相続税がかからない仕組みで、配偶者の生活を手厚く守ることができます。

また、空き家を売却する場合に利用できる「空き家特例(譲渡所得の特別控除)」によって、昭和56年5月31日以前築の一戸建てを相続後、相続開始から3年以内に要件を満たして売却すれば、譲渡所得から3,000万円まで控除することが可能です。耐震条件の確認や売却期限の厳守が必要ですが、相続税の軽減に大きく貢献します。

以上のように、制度ごとに要件や減額内容が異なりますので、自身が使える制度を整理し、漏れなく活用することが、相続税対策の基本となります。詳細は、国税庁の公的情報などを参考に、正確に確認されることをおすすめします。

:売却時に使える譲渡所得の特別控除(3000万円特例)の概要

相続や遺贈によって取得した空き家を売却する際、譲渡所得から最高3000万円が控除される「空き家特例」があります。この制度は、昭和56年5月31日以前に建築され、被相続人が相続開始直前まで居住していた家屋とその敷地が対象です。また、売却時に事業・賃貸・居住の使用がなかったことが求められます。特例は令和9年12月31日まで適用されますが、令和6年1月1日以降の譲渡では、売主または買主が耐震改修・解体工事を譲渡前後に行えば適用可能となるなど要件が緩和されています。

制度適用に際しては、以下のような基本的な要件があります:

項目要件
建築時期昭和56年5月31日以前に建築された戸建てであること(マンション不可)
売却期限相続開始から3年後の12月31日まで(令和9年12月31日まで)
耐震または解体譲渡前に耐震改修または解体、もしくは譲渡後(買主が)翌年2月15日までに対応

これらの要件を確実に満たすことが節税の鍵となります。売却価格の上限は1億円、相続人が3人以上なら控除額が1人あたり2000万円になるなど、要件の漏れがあると適用できない可能性がありますので、注意深く確認してください。

具体的に、制度適用による節約効果を例で示すと、以下のようになります:

譲渡益が仮に3650万円の場合、通常なら譲渡所得税(長期譲渡20%強)で約730万円の税負担となりますが、特例を使えば課税対象は650万円となり、税額は約130万円。結果として600万円ほど節税できる計算になります。

漏れなく制度を活用するためにも、耐震基準等の技術要件、売却期限、売却先の関係性など、細かい点を確認することが重要です。

相続空き家を活かす税金対策の選択肢と注意点

相続した空き家については、税金面を意識しつつ、活用方法を選ぶことが重要です。ここでは代表的な方法と、その税務上の留意点を整理しました。

まず「賃貸運用」によって収益化を図る方法があります。空き家をリフォームして賃貸物件や月極駐車場などに活用すれば、収入を得つつ、空室リスクや管理費などと相殺できる可能性があります。また、住宅用地としての軽減措置も維持できる場合があり、税負担の面でもメリットがあります。

活用方法税務上のメリット注意点
賃貸運用住宅用地の税減(固定資産税・都市計画税)を維持しやすいリフォーム費用や空室リスク、運営管理の手間が発生
解体して更地化譲渡所得の3,000万円控除が適用可能な場合あり住宅用地の特例が外れ、固定資産税・都市計画税が3~4倍に増加し得る
売却する譲渡所得税・住民税の軽減制度(3,000万円控除や取得費加算など)が利用可能売却時期や控除要件の確認が必要

次に「解体して更地化する」方法です。更地にすると、住宅用地の軽減措置が適用されなくなるため、固定資産税および都市計画税が現状の約3~4倍になるケースが多く、税負担が大幅に増える可能性があります。一方で、売却時には「空き家に関する3,000万円特別控除」の適用対象となることがあり、節税の観点で有効となる場合があります。ただし要件が複雑ですので注意が必要です。

さらに「売却」を直接選択する場合、譲渡所得税・住民税の軽減制度、相続税額を取得費に加える制度(取得費加算の特例)などを活用できることがあります。ただし、相続開始から売却までの期間や建築年数、耐震性、建物の区分所有か否かなど、要件は多岐にわたるため慎重な確認が必要です。

いずれの方法にも共通する重要な判断材料として、税金面だけでなく管理負担、維持費、安全性、行政からの特定空き家指定のリスクなどを総合的に勘案することが必要です。空き家の状態に応じた適切な対策を選ぶことで、相続後の負担を軽減しつつ活用価値を高めることが可能になります。

まとめ

空き家を相続した際には、相続税や登録免許税、固定資産税、さらには売却時の譲渡所得税など、さまざまな税金や費用が発生します。しかし、「小規模宅地等の特例」や配偶者控除、さらには譲渡所得の特別控除といった制度を適切に活用することで、税負担を大きく軽減することが可能です。加えて、賃貸運用や解体、更地化といった選択肢も含め、自身の状況に合わせた対策を選ぶことが大切です。不明点や悩みがあれば、早めに専門家へ相談し、後悔しない選択につなげましょう。

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